住宅は買うか、借りるか…。

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これまでは高齢者世帯の方、あるいは中年世帯の方を対象に話を進めてきましたが、 ここではこれから住宅を取得したいという意志のある若い世帯にも参考になる話題を 考えてみたいと思います。

戦後の復興期から高度経済成長期を経て、わが国は世界の主要先進国となり、 国民の生活水準は急激に上昇しました。しかし、1990年代のバブル崩壊に伴う景気後退 とともに、右肩上がりの一途だった資産インフレは一転、資産デフレへと変貌し、2005年 を迎えて一部で改善は見られるものの、なおもその資産デフレ情勢は続いています。

そうした資産デフレの影響は、莫大な不良債権を生み、金融機関に多大な影響を 与えてきたことは御存知の通りです。そして、資産デフレとともに住宅ローンの融資金利 は下落傾向が続き、最近では2~3%という歴史的にみてもかなりの低水準にまで落ち込み ました。

金利が安いということは、単純に金利的な側面から考えますと、現在は住宅の購入における メリットは十分あると考えられますが、一方ではわが国の総人口の減少、少子高齢化の本格 化など、資産価値の上昇を妨げうる可能性のある新たな社会構造が出現しつつあり、資産価 値そのものがどういった形で推移してくのかは注意深く観察していく必要があると考えられます。

一昔前までは、持ち家を購入するいわゆる「マイホーム取得」はサラリーマン世帯の 大きな目標の一つとして考えられてきました。しかし、バブル崩壊後の長期的な資産価値の下落 リスクを垣間見てきた世代にとってみれば、マイホーム取得に対してはそれほどのインセンティ ブはないかもしれません。

また、我が国では賃貸市場は学生など単身世帯向けがほとんどであり、ファミリー世帯 向けの市場規模は大きくはありません。中古住宅もアメリカの12分の1程度の規模です。

「住宅を買うか、借りるか。」

その答えは、以前にも増してその選択は複雑な 要素が存在し、答えを探し求めるのは難しくなってきています。

今後、我が国は本格的な少子高齢化社会を迎え、預貯金を切り崩しながら生活している高齢者世 帯に年金給付削減・医療・介護費増などが加わることにより、実質的な可処分所得の逓減傾向が 予想されます。

そして、そうした可処分所得の減少を補う形で、リバースモーゲージ制 度の利用も増加する可能性もあります。福祉的な側面もさることながら、日 常生活の必要生活費へと利用の目的範囲の拡大が行われていくのではないかと考えられます。

長期で考えてみますと、そうしたリバースモーゲージが拡大していく流れは、翻って現役 世代が将来、リバースモーゲージ制度を利用する際の大きな基盤となり、住宅取得に対するインセ ンティブを再び与える可能性もあるかもしれません。

住宅取得は言い方を変えれば、一種の不動産投資的な側面を持ってい ます。仮にキャ ピタルゲイン(資産価値向上による含み益)が将来的に期待できなくとも、それを担 保に融資を受けられるという制度があれば、住宅取得を前向きに考えられると思います。

「家一軒と土地があれば、老後は貯金を切り崩さなくても、年金とリバースモゲージで生活できる」

制度の認知・充実・整備が進めば、高齢者世帯だけでなく、若い世帯にとっても住宅に関す る意識は変わってくると思います。

まだまだ我が国のリバースモーゲージは黎明期にあり、 その制度の効果は限定的ですが、「住宅購入」の貴重なバックボーンになり得る存在であり、制度の 認知・充実・整備が条件ではありますが、筆者が住宅の購入を将来的に楽観的に考えられる理由の一 つでもあります。



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