金利リスクとリバース・モーゲージ

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リバースモーゲージ制度の3大リスク、担保割れリスク、金利リスク、長生きリスクのうちここでは金利リスクについて見ていきたいと思います。

我が国の公的機関が提供しているリバースモーゲージ制度を例に、金利リスクを考えてみたいと思います。

下はある地方公共団体の福祉協議会の融資金額に対する貸付金の利率を定める条件です。

【貸付金の利率】年3%、または毎年4月1日時点の長期プライムレートのいずれか低い方で、各地方公共団体の福祉協議会が定めた利率。

まず、長期プライムレートについてですが、現在我が国では歴史的にみてもかなりの低水準にあります。2000年以降では約2%前後、2003年以降では2%以下の低水準にあります。そして、2005年6.10現在では1.45%となっています。

長期プライムレートは簡潔に言ってしまいますと、住宅ローンなどの金利に影響してくる目安と考えて頂ければ分かりやすいと思います。

リバースモーゲージは不動産を担保にした逆抵当融資ですから、その制度の性質上、長期プライムレートを基準値として取っているというわけです。

金利的な側面から考えますと、現在は長期プライムレートが低いこともあり、住宅ローン同様、リバースモーゲージを利用しての融資を受ける際には有利な状況となっています。

しかし、仮に長期プライムレートが上昇し5%になった場合を考えますと、上の地方公共団体の福祉協議会の融資条件では貸付金利は3%となり、現在の倍以上の金利を払う必要があるというわけです。

上限3%というのは、現在のプライムレートから見ると高く感じますが、これまでの我が国の金利水準と比較してみても決して高くはありませんので、融資を受ける側、言い換えればリバースモーゲージを利用する側にしてみればそれほど大きなリスクがあるとは言えません。

金利を上限3%に固定しているということは、その背景に現行のリバース・モーゲージが福祉的な側面が強く、できるだけ安定した融資を提供しようという制度上の主旨があると考えられます。

公的機関が金利リスクを負担しているのに対して、民間企業では金利リスクは融資を受ける借受人に負担を求める形になっています。

リバースモーゲージ制度を行っている中央三井信託銀行株式会社の貸付利率の条件

「お借入れ利率は、短期プライムレートに連動する変動金利です。」

住宅ローンを組む際には、ほとんどが変動金利ですので、 その逆であるリバース・モーゲージの利用においても変動金利であるのは、制度上妥当 であると考えられます。むしろ、現行の公的機関が上限を3%に固定している方が特別と 考えた方がいいかもしれません。

金利リスクは、個人の力では対処の方法は限られますが、担保割れリスクに備えるのと同様、融資額を使い切らずに融資された資金の一部を残しておくことは最も賢明な対策の一つであると言えるでしょう。

<参考事例>

アメリカの住宅開発機構(HUD)が提供しているリバースモーゲージ、HECMでは金利キャップ(※)を設定することで利用者の金利上昇幅の上限を設けています。

※金利キャップ

■メリット 当初設定した上限金利以上の金利上昇リスクを回避することができます。

■デメリット キャップ金利設定の対価としてキャップ料を支払う必要がありますので、制度利用コストが膨らむことになります。



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