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長期プライムレートとリバース・モーゲージ

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リバースモーゲージ制度利用の3大リスクのうちの一つとして挙げられる金利リスクですが、公的機関において融資の際の貸し付け金利の判断基準として、ほとんどの場合で長期プライムレートを採用しています。

長期プライムレートとは優良取引先向けの貸出金利のことで、 銀行が信用力の高い一流企業にお金を貸す時の金利のことです。一般の長期貸出金利については、この長期プライムレートを基準にして、リスク度合いなどに応じて金利を上乗せして決められており、リスクが高くなればなるほど、金利が高くなる仕組みになっています。また、長期プライムレートは、長期国債の利回りにほぼ連動するような形で、その変動に応じて決定されています。長期国債など。

現行の我が国の公的機関によるリバースモーゲージ制度では、長期プライムレートあるいは、固定金利の低い方を融資の際の金利として採用しています。

しかし、今後その金利が「変動金利」に変わらないという保証はどこにもありません。日本でも民間企業が行っているリバースモーゲージでは、短期プライムレートと連動させるような「変動金利」を採用しているところがありますが、公的機関でもそのように変わる可能性は十分にあります。

ちなみに、アメリカのリバースモーゲージ利用者の90%が利用しているアメリカの住宅開発省(HUD)のHECMでは、そのほとんどで「変動金利」を適用しています。

そして、リバースモーゲージの債権を引き受けている連邦住宅抵当公庫(FNMA)では、変動金利を適用している債権のみを購入しており、つまり、固定金利を適用しているリバース・モーゲージ債権は債権を購入する側にとってもリスクが高いため、買い取っていないということです。

現在の我が国は、歴史的に見ても長期プライムレートはかなりの低水準です。また、リバースモーゲージ制度が高齢者世帯を対象にした福祉的側面が強い制度でもあるといった背景から、長期プライムレートを基準にした金利や固定金利のような低金利を適用することができています。

しかし、長期プライムレートが上昇し、リバースモーゲージ制度の利用が増え、市場規模が大きくなってきますと、低金利を適用し、公的機関が負担するのは次第に難しくなってくるでしょう。なぜなら公的機関が負担する金額が金利が上昇すればするほど大きくなってくるからです。

ここで、日本銀行の金融経済統計から長期プライムレートの変遷を見てみましょう。

1966 8.2%~8.4%

1970年代 7.7%~9.9%

1980年代 4.9%~8.9%

1990~1995年 2.7%~8.9%

1996~2005年 1.25%~3.6%

1996年以降はかなりの低水準です。ローマ時代がその旺盛を極めた時代に貸し付け金利4%が最低水準だったことを考えますと、現在の日本の金利水準は目を見張るものがあります。

長期プライムレートが低く、まだリバースモーゲージ制度の利用件数が少ない現状は低金利で制度を利用できるというメリットが存在すると言えますが、金利が上昇局面に入り、利用件数が増加してくると、公的機関におけるリバースモーゲージ制度におきましても、今後の発展の過程の中では、変動金利を採用する可能性があることは十分にあります。

金利とリバースモーゲージは住宅ローンを組む時と同様、切っても切れない関係ですので、今後も注視する必要があるでしょう。



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