相続とリバースモーゲージ。

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イギリスの生物学者トーマス・ハックスリーは次のような言葉を残しています。

「全ての人間がいかなる意識においても、またどんな時でも、自由かつ平等であったという教義は、まったく根拠のないフィクションである。」

近代の資本主義社会においても、豊富な資産があり、裕福な家庭に生まれた人とそうでない人がいるように、生誕時における裕福さという点においても人々は平等ではありません。

翻って我が国は、戦後の高度経済成長と共に大きく成長し、世界有数の債権国になり、世界の中でも高い貯蓄率を誇る「お金持ち」の国となりました。

また個人に目を転じれば、総務省の平成12年の「国勢調査」によると、高齢者世帯は持ち家が90.4%となっています。現金・金融資産の保有を別にしますと、ほとんどの人が不動産として資産を保持しているいるという状況です。

ここでのテーマは「相続とリバースモーゲージ」です。

相続とリバース・モーゲージというと推定相続人のトラブルを連想したり、あるいはお金持ちの人の悩み事と考える人が多いかもしれませんが、必ずしもそうではありません。

例えば、ある高齢者世帯の方が遺産として「不動産」だけを遺して、それを子供3人が「平等に」相続しようとした場合、通常の方法では売却を考えるでしょう。(※我が国では長男が土地をその他の相続人が現金・金融資産を相続するケースが「慣習として」多いですが…。)

しかし、不動産の売却は容易ではありません。日本の中古住宅市場は流動性が低く、平成16年に内閣府調査「住宅に関する世論調査」によれば、「住宅を購入するとしたら新築か中古か」の問には「新築が良い」とする割合は82.3%に上り、「中古が良い」とする割合は3.4%に留まっています。

人口当たりの中古住宅流通量はアメリカに比べると日本は1/12程度の規模となっており(「平成13年度国土交通白書」より)、日本における中古住宅の市場規模は非常に小さいものと考えられます。

また、我が国の平均住宅耐用年数(約26~30年)を考えますと、売却時の住宅の取壊し費用、そして各種税金、手数料など売却時のコストも軽視できません。

しかし、生前リバース・モーゲージを利用し、その貸付融資からの収入を生活資金などに充当し、その分、預貯金やその他の金融資産として遺せたとすると、インフレリスクなどは考慮する必要がありますが、相続の際の上のような問題点の多くは解消されると思います。

「遺産としての不動産は相続において、均等配分が難しい。」

「現金・金融資産等は相続において、比較的、均等配分がしやすい。」

土地や家屋など不動産の資産は遺産としたい方が多いと思いますが、時代や相続する側の状況によっては、必ずしも「理想的」ではないこともあります。

※一方で、バブル崩壊の頃から続いている資産デフレから日本経済が脱却し、再び資産インフレに好転する時代には不動産はその価値が上昇するでしょう。その時は不動産の売却益にプレミアムが見込まれます。また相続税に関しては現金よりも不動産の方が有利な設定になっています。



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